広島県世羅町様 「COUS自治体メール配信」
自治体と警察署の連携による防犯情報配信で
安全なまちづくりを
広島県世羅町では、2006年3月から、町民を対象に、不審者・防犯情報のメール配信サービスを開始しました。世羅町役場と甲山警察署が連携し、「住民の安全を守るためには、防犯情報をより早く、正確に共有することが重要である」という考えのもと、タイムリーで確証性の高い情報配信を行っています。
この取り組みを実現するために採用されたのが、ICCの「COUS自治体メール配信」です。

導入の背景
広島県中東部に位置する世羅町。甲山町、旧世羅町、世羅西町の3町が合併し、人口約2万人の町として2004年10月に新たなスタートを切りました。
2005年11月、広島市内で起こった女児殺害事件で、幼い命が奪われました。
その直後、奈良県でも同様の事件が発生しました。
こうした悲しい事件を繰り返さないために、自治体や警察は何ができるのか──。
子どもたちや町民が安心して暮らせるまちづくりを目指し、世羅町役場と甲山警察署は立ち上がったのです。
これまでの情報伝達ツールは電話、FAX、町内放送でした。学校や警察から寄せられる情報のうち、町民への発信が必要だと感じた場合は町内放送を使用して通達しましたが、放送を聞き逃した方は情報が入手できませんでした。(世羅町役場 追林威宏氏)
甲山警察署からの防犯情報は、FAXで一斉送信を行っていました。公共機関や学校などの団体向けには、FAXでも構いません。しかし、町民一人ひとりに知っていただきたい情報を伝達するには、FAXでは不都合です。携帯電話やPCがこれだけ普及してきたので、より多くの人に情報が届けられるメール配信の有効性を感じていました。(甲山警察署 森川一成 巡査部長)

世羅町役場 追林 威宏 氏

世羅町役場
金廣 隆徳氏 浅倉 裕貴氏
導入のポイント
その後、世羅町役場では、町民へのメール配信の実現に向けて、システムの選定に入ることになりました。
当社製品の「COUS自治体メール配信」を選定いただいた理由はどこにあったのでしょうか。
広島市に本社を置く(株)中国サンネット様から、ICCの製品を紹介していただきました。
ICCの「COUS自治体メール配信」は、ASPの利用形態により、初期費用が安価であったことや、大量高速送信によるシステムダウンの恐れがないなど、我々のニーズと合致していました。
また、町民一人ひとりのメールアドレスを扱うことになりますから、個人情報の管理や、セキュリティ対策が重要なポイントとなりました。(追林氏)
ASPサーバが設置されているICCのデータセンターを訪問させていただきました。社屋の各フロアは入室管理され、データセンターは指紋認証による厳重なセキュリティ体制が整っていました。それから、自家発電設備、電源系統の二重化で、停電が発生した場合は他地域から電気が供給されると聞き、危機管理体制の高さを目の当たりにした上で採用を決定しました。(世羅町役場 浅倉氏)

運用体系
運用に際し、役場では、警察署、消防署と協議を重ね、お互いに連携体制を整えていきました。
このように役場と警察が連携して情報発信に取り組んだ事例は、全国的に見ても珍しいケースと言えます。
その目的は何だったのでしょうか。また、運用の流れはどうなっているのでしょうか。

甲山警察署 渡邉 英二 警部

甲山警察署 森川 一成 巡査部長
町では、月1回、警察署と『安心安全会議』を開催しており、積極的に情報交換しています。ときを同じくして、甲山警察署も防犯情報を配信したいとの考えがあったようで、協同体制で実施することになりました。
何よりも大切なのは、町民の生活の安全を図ることです。
ですから、不審者や防犯情報は、確証の高い情報をいち早く町民に届ける必要があります。
警察署で事実確認が取れた情報を警察署自ら発信できれば、タイムロスが最も少ない。
そこで、不審者・防犯情報は、警察署から情報発信をしていただくように、役割を分担したのです。 (追林氏)
警察署と役場の連携ですそ野が拡がり、多くの町民にメール配信サービスに登録していただけると期待しています。
また、役場と町民のつながりは強く、町民からの不審者・防犯情報の提供も増えるであろうし、地域が一体となって町を守ろうという意識が芽生えるだろうと考えています。(渡邉英二 警部)
警察署では、町民から通報が入るとまずは、事情聴取を行います。事実を確認した上で情報を流すのが原則です。誤報により、不安をあおることのないように、細心の注意を払わなければなりません。
開示する内容を吟味して、必ず上席者の決裁を得てから配信するルールになっています。
いち早く情報を配信したいという思いの反面、我々は、すぐに現場へ急行し、事態を解決する必要があります。ですから町民の方々へは、起きた事実をもとに、注意を促す内容を配信しています。(森川巡査部長)
警察署が主体となった世羅町の不審者・防犯情報配信サービス

一般的に役場が主体となって不審者・防犯情報をメール配信する場合、警察署で通報者からの情報に基づき事実確認を行い、その結果を役場にフィードバックしてから配信します。 しかし、世羅町では、警察署が事実確認で情報の裏づけられれば、すぐにメール配信でき、タイムロスをなくすことができます。

今後の展望
COUS自治体メール配信の導入により、メール配信の第1ステージが整備されました。
世羅町では、町民にとってさらに情報価値の高いメールを届けることが第2ステージであると考えています。
現在は、不審者・防犯情報に加えて、消防情報も配信されています。今後は、災害など幅広い情報を発信していきたいと考えています。(浅倉氏)
世羅町は自然も多く、観光資源が豊富です。観光にまつわる地域情報など、付加価値の高い情報を発信していくことができるといいですね。この町にお住まいの町民から、「世羅町は情報が入手しやすく、安心な町だ」と感じていただければ嬉しく思います。(金廣氏)
お客様情報
【広島県世羅町】
■人口: | 19,423人 |
■世帯数: | 6,833世帯 |
■面積: | 278.29k㎡ |
http://www.town.sera.hiroshima.jp/
【世羅町役場】 〒722-1192
広島県世羅郡世羅町大字西上原123番地1
【甲山警察署】 〒722-1121
広島県世羅郡世羅町大字西上原427番地
