金沢医科大学病院様 「PC-栄養」
全ては、患者さまの安全・安心な医療のために
医療・福祉施設において食事療養は、治療・予防の一環です。
保険診療に定められた適正な栄養・給食管理を実施するために、IT化は必須です。
いいかえれば、所轄の行政機関への栄養・給食管理業務が適正に運用されている報告書のデータベースづくりです。
金沢医科大学病院
栄養課 課長
中川明彦氏
近年は栄養管理計画に基づいた栄養管理された献立の栄養素量を瞬時に知り、給食管理では集計された調理の指示票により衛生かつ適正に調理された食事が患者様に提供され、すべて摂取されたことにより、安全・安心な医療が実施されたことになります。
IT化の向上は給食管理の合理化となり、さらなる患者様の個人対応などの給食サービス向上につながります。
この度、栄養課課長であり、管理栄養士の中川様に『PC-栄養』導入に際しての期待と将来像についてお話をいただきました。
導入の背景
給食管理のコスト管理
システムをバージョンアップする事で、各献立食情報より食品の材料購入費をいつでも把握できます。
それにより適正な予算・コスト管理ができるようになりました。
日本標準食品成分表2010、日本人の食事摂取基準2010年版への対応
昨年、行政機関より日本人の食事摂取基準2010年版が策定され、日本標準食品成分表2010が改訂され、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン及びビオチンの成分値が追加され、FAO報告書が推奨する方式に基づきアミノ酸組成による蛋白質量及び脂質についてもトリアシルグリセロール当量が収載されました。
これにより食事摂取基準に準じた栄養素が明らかになり、各献立の栄養素を明確にすることが急務となりました。
これにより管理栄養士、栄養士の作成された献立から人間栄養学と食品栄養学の新たな進展につながります。
システム導入により臨床栄養学を基にしたエビデンスの蓄積が期待されます。
業務の効率化=エコ化の推進へ
今まで献立表、食数表などは全て紙に印刷して厨房へ渡していましたが、臨時外泊や献立内容変更の場合、迅速かつ正確に変更内容を厨房に伝達するのが困難でした。
また、エコ医療の推進面からも運用を根本的に改革する必要がありました。
そこで、厨房に大型タッチパネル式モニター導入したことによって、以下のように運用が改善されました。
1. 業務の効率化......厨房への伝達が迅速、スムーズになった。
2. 衛生面の一層向上......事務室担当者の厨房への入退出がなくなった。
3. 厨房ペーパーレス実現......帳票印刷なくすことでエコ医療に貢献ができ、コスト削減の効果にもつながった。
今後の病院としての取り組み
健康増進法、食育基本法、国民の責務とは...
健康増進は生まれてから生命を全うするまでの食・栄養を通して国民全員の果たす責務となりました。
そんな中、医療施設においては、以下の点に重点をおいた、栄養管理システムの確立が必要です。
- 入院、退院時栄養管理計画作成の管理
- 治療食の提供のための院内の食事基準に基づく、栄養管理、献立管理
- 治療食を提供するための衛生管理、調理管理
- 厨房内の温度管理システム、危機管理・防犯システム、機器故障による自動警報機化など構築
- 栄養サポートチーム(NST)によるチーム医療による栄養管理
- 退院後に必要な食事療養の継続のための入院、外来における食事栄養指導管理
- 退院後の地域医療・福祉施設機関との連携の管理
以上のことがすべて、患者さまに安全で、安心な医療提供するための手段です。
今後、専門化である管理栄養士、栄養士が、その時代に見合った最先端のIT化の導入を計画的に推進することが大切です。
近い将来、ベットサイドで食事摂取量を小型カメラから把握され、栄養評価の自動化、その場で治療食に準じた摂取量を自動で判断する携帯電話などが開発される日が来るでしょう。
システム構成図
お客様情報
【金沢医科大学病院】
■所在地: | 石川県河北郡内灘町大学1-1 |
■開院: | 1974年9月1日 |
■病床数: | 835床 |
■事業内容
金沢医科大学病院は、
- 一般病院では困難な高度な医療の提供
- 医学進歩のための高度な医療技術の開発と評価
- 良医育成のための高度な 医療に関する臨床研修を行う病院
として昭和49年に開院致しました。
平成6年4月に北陸地方最初の特定機能病院の指定をうけ地域の基幹病院として、新世紀へつながる患者中心の医療をめざして、常に最新・最高の設備と各種システムを整えています。