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公立河北中央病院様「医療用音声認識ソフト AmiVoice Ex7」

音声入力で時間外勤務を縮減。
記録業務の負担を軽減したAmiVoice導入の経緯と成果。

河北中央病院様は、地域包括ケアの中で大学病院と自宅やクリニックとを結ぶ役割を担う総合病院です。課題であった電子カルテへの記録入力を、簡単に素早く行うため、ICCが提供する「音声入力システム AmiVoice」をご採用頂きました。

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記録作成に手間取り、時間外勤務がかさんでいた

音声認識ソフト・AmiVoiceの効果についてお話を聞かせてください。

具体的な内容の前に、まずは当院の特徴をお話します。公立河北中央病院は、石川県河北郡津幡町にあります。津幡町・かほく市を合わせた約7万人の方々が、主に利用されています。地域包括ケアシステムの中では、大病院と自宅やクリニックとを結ぶ病院の位置づけです。

看護師の数はどのくらいですか。

看護職として、46名が在職しています。そのうち29名が病棟勤務です。病棟は1病棟でフロアは3階と4階に渡っています。電子カルテシステムを利用し業務改善を推進していますが、個々の都合でシフト組みに苦労しており、看護師の人数は十分に足りていると思っていません。

また入院患者さんの多くは高齢者で、認知症の方もいらっしゃいます。通常の業務でも目の離せない患者さんが多く、日常生活の援助にたくさんの時間を割いています。それこそ体温計を入れてもらうところから、時間が掛かってしまいます。

肉体だけでなく精神的にも疲弊しそうですね。
そうなんです。患者さんへのケアで多くの時間を要しますから、どうしても事務的な作業は後回しになってしまいます。看護師の毎日の事務作業の1つに、看護記録があります。看護記録には患者さんの日々の状態のほか、ケアの方法を入力しています。それを読めば、別の看護師へスムーズに引き継ぎができます。


そうして丁寧に細かく記録するのはもちろん良いことですが、勤務時間には限りがあります。後回しにした記録の入力に時間が掛かり、時間外勤務がかさんでしまう。そんな課題を抱えている中、AmiVoiceの存在を知りました。
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公立河北中央病院 看護師長
山下 昭美 さん


AmiVoiceの存在を知り、テスト期間を経て本導入へ

AmiVoice導入までは、どのように記録をつけていたのでしょうか。

それまでは、コンピューターにキーボードで入力していました。記録を付ける看護師には、1人1台のノートパソコンを与えています。ワゴンにパソコンを乗せて、病室を回っていく形です。


パソコンの操作に慣れている人は、病室で情報収集しながら記録入力しています。ただ当院は、看護師のうち約40%が50代です。パソコンに慣れていない人もおり、廊下やナースセンターでキーボードの文字を確認しながら文字入力する人もいます。


それはかなり疲れそうですね。

50代になると、キーボードに書いてある文字も見づらくなります。病棟患者さんのケアをすべて終了し、色々な雑務を終わらせて疲れ切った後に、最後の仕事として記録を入力するわけです。パソコンに不慣れな上、疲れて頭もうまく回りませんから、記録を終わらせるのに時間が掛かって当然でした。


AmiVoiceの第一印象はいかがでしたか。

そういった中、AmiVoiceを紹介してもらい、とりあえずテストとして1台を2週間ほどお借りしました。最初の印象は、正直言って半信半疑です。キーボードでも苦労しているのに、新しいデジタル機器を使いこなせるのか不安に思いました。


ただ実際に使ってみると、「すごく賢いな」と感心したんです。例えば患者さんの血圧の結果をAmiVoiceに話してみると、きちんと文字として表示される。医学用語がソフトに入れられているため、変換がしっかりしているんです。


10人くらいの看護師にも使わせてみて感想を聞きました。もちろん全員が全員、好印象ではなかったです。キーボードのほうが良いと言う人もいました。一方、「記録の入力が速くなりそう」と好意的に思った人が半数くらいいました。


テスト期間を経て、導入へいたったのですね。

なにしろ記録の入力で時間がかかっていましたから、それが速くなれば時間外勤務の縮減につながります。看護師の負担も減り、患者さんへの時間を確保できケアの質が向上します。そう考えて、「導入してみよう」と。3階と4階の病棟フロアに、各1台ずつの計2台を入れてみました。文字入力の方法と機器の使い方の簡単なマニュアルを作成し、看護師たちへ使用を促しました。

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時間外勤務の減少に手応えAmiVoiceの増台を検討中

導入してから4カ月ほどが経過しています。感想はいかがですか。

約半数の看護師が、AmiVoiceを使って記録を入力しています。率先して使っているのは、年配の看護師が多いですね。使用している看護師からは、「入力が楽になった」「速くなった」と好評です。


緊急入院のない土日でも、記録の入力に手間取り多くの看護師が時間外勤務をしていました。それがAmiVoice導入後には、課題としていた時間外勤務は減少しています。


特にキャリアのある看護師は時間外手当が高額ですから、費用対効果が大きいです。客観点に見て成果が上がっているので、AmiVoiceの増台を考えています。3階と4階に3台ずつの計6台くらいあると、業務をもっと効率化できそうです。AmiVoiceを導入して、良かったと思っています。


今後もIT機器やソフトを導入し、効率化していきたいですか。

患者さんやご家族とのやり取りには、定形のものがたくさんあります。それらをタブレットで入力してもらい、結果を看護師だけでなく医師やソーシャルワーカーが共有できるようなソフトがあればよいですね。ITの可能性はたくさんあると思いますので、これからも率先的に取り入れ、業務の効率化を考えていきたいと思います。

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お客様情報

【公立河北中央病院】
■所在地 石川県河北郡津幡町津幡ロ51-2
■開院 昭和26年8月
■病院長 渕﨑 宇一郎
■HP http://kahoku-hp.jp/
昭和26年に開設した、石川県中央部に位置する総合病院。近隣の津幡町・かほく市を合わせた約7万人の人々が主に利用している。病床数は60床で、内訳は一般病床35に地域包括ケア病床が25。地域包括ケアの中では、近隣の金沢市にある大病院とクリニックや施設、自宅とを結ぶための中規模病院の役割を果たす。地域で完結する医療の実現のため、多職種が連携しての退院支援やプロジェクトチームによる医療の質向上を目指している。地域の人々が安心して過ごせるよう、町づくりの重要な一端を担う。
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