・品質検査の時間短縮
・不良の見逃しの軽減
・検査モデルの自社構築が可能に
解決した
課題
・品質検査の時間短縮
・不良の見逃しの軽減
・検査モデルの自社構築が可能に
北野さん●"繊維王国いしかわ"では、数年前から画像処理やAIなどを活用したDXが広がりつつあります。従来の繊維業界における主な検査方法は、布を広げて巻き取りながらチェックする「検反機」を使用し、幅1~2mなどの大きな布生地の前に検査員が立ち、端から端まで検査して「色汚れ」や「油汚れ」、「シワ」「毛玉」などの不良を目視で見つけていました。
しかし、この検反機による検査は、検査員の負担も大きく見逃しも発生しやすいため、当社でも数年前から、織物検査の自動化をICCとともに取り組みを始めました。いろいろご提案いただく中で、検査AI MENOUを紹介していただいたのです。

高品質な製品づくりには、汚れやシワのない生地が欠かせない(画像はイメージ)
新村さん●私はAIに関する知識がほとんどなく、「本当に自分で検査モデルを作れるのだろうか」と不安でした。そこで、まずはトライアルで検査AI MENOUを触ってみました。操作性は直感的で分かりやすく、「これならできそうだ」と感じました。
細かな検査基準をどのようにシステムへ落とし込むかという不安もありましたが、導入後はMENOUカスタマーサクセスの担当者様がサポートしてくださり、現在では高度な検査モデルを構築できています。
私たちは生産効率をさらに高めるため、類似する3品種の生地を、1つのAIモデルで同時に検査する難易度の高い挑戦にも取り組んでいます。改善を重ねた結果、すでに2品種の生地の異常検知に成功しました。残る1品種も、あと一歩で完成するところまで来ています。
さらにICCには、私たちの現場に合わせた特別なシステムを追加開発していただきました。例えば、生地と生地の「継ぎ目」は、AIがキズや汚れと誤認識しやすい部分であるため、この部分の画像だけを自動で検査対象から外す仕組みを作っていただきました。壁にぶつかるたびにICCが一緒に解決策を考えてくれるので、検査モデルはどんどん進化しています。
オリジナルグッズ制作サービスの「UP-T」では、IoTを駆使したデジタルプリント工場で生産し、最短納期3日で提供している
新村さん●検査AI MENOUを導入したことで、これまで2台の機械に検査員がつきっきりで4時間かかっていた作業が、今では1台の機械で自動検査を行い、最終的な目視点検も含めてもわずか1時間程度で完了できるようになりました。実に75%の時間短縮を実現したのです。
特に優れていると感じるのは、AIが細かな検査基準を忠実に再現してくれる点です。色味のちょっとした違いなど、細かな基準をMENOUと共有し、検査モデルへ組み込んだことで、しっかりとOK/NGを判断できるようになりました。ここまでの成果が出せるようになったのはMENOU、そしてICCの強力なサポートのおかげです。
北野さん●私たちの究極の目標は、すべての製品が完璧な品質で生産され、検査そのものが不要になることです。とはいえ現実的には、不可欠な工程であり続けるでしょう。
そのため、AIなどの最新技術を積極的に取り入れ、将来的には検査の無人化と目視検査ゼロを目指すとともに、定量的な検査を自動で行える体制へ移行したいと考えています。検査AI MENOUの学習能力は非常に高いので、ぜひ実現したいですね。
新村さん●現在、AIの利用は検査だけにとどまりません。検査で得られたデータを品質管理全体にも活用し、その結果に応じてアラート条件を設定して、異常があれば品質担当に通知する仕組みを構築しました。検査の一歩先を行く挑戦的な取り組みですが、今後もICCの協力を仰ぎながら新たな技術を積極的に取り入れ、より良い品質を徹底して追求していきます。
「検査AI MENOU」は、検査フローの構築にプログラミングは不要で、マウス操作で開発できる。機能追加も可能で、ICCでは現場の課題に合わせたカスタマイズを実施している(画像はイメージ)
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