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生産状況の見える化と
タブレット端末の活用で
稼働率の向上や省力化を実現

株式会社白山(本社:金沢市)は、世界シェア約35%を誇る光コネクタ用部品をはじめ、独自の技術力を武器に雷防護機器や情報通信用部品、超精密樹脂成形製品など、さまざまなアイテムを手がけています。同社のものづくりの中核となる石川工場(志賀町)では2018年11月、ICCのIoTソリューションを導入。生産現場の改善に力を注ぐ同社第一製造部門長の堀田良人氏に、導入を決めた背景やその効果などについて聞きました。

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導入の効果

今回は主力製品となる光コネクタ用部品の生産現場のIoT化を進められました。導入したソリューションについて教えてください。

今回は大きく2つの取り組みに力を入れました。一つは"生産状況の見える化"です。当社石川工場では射出成形機で、0.1μm(100 万分の1m)の高精度が求められる光コネクタ用部品を製造しています。これらの各設備にセンサーを取り付け、温湿度や作業実績、材料となる樹脂の供給状況など、多岐にわたるデータを自動的に収集し、誰もが見られる集中監視モニターに表示しています。もう一つは"タブレット端末の活用"です。現場スタッフ全員にタブレット端末を配布し、生産進捗や寸法などのデータをその場で入力してもらい、製造工程の管理に役立てています。


導入後はどのような効果が表れていますか。

半年がたち、手応えを感じ始めています。例えば、生産状況の見える化に関しては、トラブル発生時にどの機械に不具合が生じているかまでモニターに表示されます。しかも、「材料が不足している」「治具の交換が必要」「完成品の受け取り」といった原因まで分かります。かつては、警告灯とアラーム音で異常を知らせていましたが、どの設備にどんなエラーが生じているかは、スタッフが自分の目で確認しなければならず、復旧までに時間がかかっていまし た。今ではモニターを確認すれば瞬時に対応箇所が判別でき、しかもトラブルの緊急性は色別で表示されるので、どの設備から手をつければいいのか優先度を付けやすく助かっています。効果は設備の稼働率にはっきりと表れており、導入前の80%から現在は90%へと、10%近くも高まっています。


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   第一製造部門長
   堀田良人 氏
タブレット端末の活用でペーパーレス化も進んだと聞きました。

以前は工程間のやりとりには紙を使い、作業者が手書きして次工程に渡していました。当然、日に日に紙は増え、その管理に労力がかかっていました。加えて、現場のリーダーは手書きされた情報をパソコンに入力し、集計してレポートにまとめる必要があり、これも大きな負担でした。その点、現在はタブレット端末に入力するだけでデータベース化でき、各種データを自動的に集計したレポートもデジタルサイネージに表示しています。煩雑な紙の管理から解放され、大幅な作業時間の短縮につながりました。さらに、時間を置かずに集計結果を誰もが確認できるので、部門の垣根を越えたスムーズな情報共有にもつながっています。


IoTソリューションの活用で、これまで分からなかった不具合の改善にもつながったそうですね。

はい。センサーを通して24時間収集するデータが課題解決の糸口になりました。不良率の高まる原因の一つに湿度があります。湿度が高いと不具合が生じるため、かねてから工場内の上限値を設定していました。ただ、低い分には問題ないと考えていたのです。ところが、センサーで常時取得した湿度のデータと照らし合わせると、乾燥し過ぎても不良率が上がることが分かりました。以来、湿度の下限値も設定し、不良率の低減に努めています。


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